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沖縄の就職・転職“実”事情

2006/01/03 


■ 理 由

『タイミングが合ったから』。

なぜ沖縄へ移住したの?と聞かれるたびに、そんな風に答えている。

正直に言って、私自身はいわゆる『沖縄病』でもなんでもなかった。たまたま転職を考えていた時期に、心から『住みたい』と思う場所=沖縄に出会ったこと、そこで自分のスキルを活かせる仕事を見つけられたこと、これらすべてのタイミングが合って、今ここに暮らしている自分がいる。もちろん、考え始めてから実際に住み始めるまで、 4 ヶ月という短期間で実現できたのは、ひとえにその間出会った多くの方々のお蔭であるが、そのご縁も含めて『タイミング』だと思うのである。

自身の移住では『仕事・転職』がキーとなった。これから移住を考えていて、『移住はしたいけど仕事が見つかるのか不安。』と感じている方も多いと思う。

また私自身が人材関連の仕事に関わることにより、本土で見聞きしていた沖縄の就職事情が、実は現状とは乖離していることを実感した。

誤解を恐れずに言えば、沖縄での就職でも、きちんと意志を持ち、自分に何が出来るかをアピールできて、且つ真面目に活動すれば難しいことではない、と私は思っている。

ここでは自身の経験も踏まえ、『沖縄で本当に就職できる?』『どうやって探す?』など沖縄就職・仕事事情の実際を伝えることで、移住計画中の皆さんの一助になればと思っている。


■ 経 緯

私は東京で外資系コンサルティング会社に勤めていた。仕事量は半端ではなく、多忙期は睡眠時間平均 3 〜 4 時間、という日々。ただ、プロジェクト単位で動くためその期間が終わるとまとめて 1 〜 2 週間の休みが取れる。沖縄へ来たのはその休暇でのことだった。

『八重山はいいよー。』という友人の勧めで石垣島・竹富島へ。そこで、日本にもまだこんな場所があったんだ、と自分の持っていた既成概念をあっさりと覆された。

これまでは仕事の都合で、東京・大阪・東京と暮らしてきたが、初めて『ここに住みたい』という気持ちから、『住みたい場所を見つけて、そこで仕事をしながら』という暮らし方もあるのだと考えるようになった。移住してからまもなく丸 2 年を迎えようとしている。



■ 先か後か

まずは住みたい、とにかく沖縄に行きたいと、仕事は後回しで移住して来られる方も多いが、私の場合はまずは仕事ありき、だった。移住前にも数回の転職を経験している私にとっては、沖縄でなくても次の仕事が決まってから退職するのが当たり前、だったのである。私とは逆に、まずは住んでみて、本当に沖縄に自分が合っているのか見極めてからじっくり腰を据えて仕事を探すという方も多い。ただしこの場合、そもそも無職であるため、部屋が借りられない、などといった矛盾が生じることもあるので注意が必要である。

沖縄に合う/合わないは相性の問題として、仕事が先か・住むのが先かにおいて、『就職』という観点からみたメリット、デメリットを考えてみると、

〈仕事が先派〉にとっては
メリット:
  計画性及び、移住計画の真剣さを採用者側へアピールできる
  (現職であれば)経済面での心配をせずに就職・転職活動ができる

デメリット:
•  県内在住者を優先する傾向に対し弱い
  現地情報を入手しづらい

などが挙げられる。

〈まずは移住派〉にとってはメリットデメリットが逆になると考えて頂ければよいかと思う。

私自身実感したのは、やはり『地元出身及び在住者優先』という暗黙のプレッシャーと、就職情報の入手しづらさであった。


■ 沖縄の就職事情

不名誉で有名な記録だが、失業率はここ数年全国第 1 位。 2004 年度・全国の完全失業率は 4.6 %に対し沖縄県 7.6 %(参考値)と、数字だけを見るととても厳しい状況に見える。県内の人でさえ失業率がこんなに高いし、地元優先の意識が高い沖縄で本土の人間が就職できるのか?と不安になる。一方で企業の採用担当者に聞くと、『人材が足りない』との声。実は当たり前のことであるが、『優秀な人材』はどこの企業でも欲しがっており、常に『足りない』状況なのである。

人材の流動が県内に滞りがちな沖縄では、さらにこの傾向が強いと感じる。特にある種の資格が必要な業種や、専門スキルが必要な職種では常に募集がかかっていることも多い。県内の限られた人材の中で補えないため、本土からの人材で明確なスキルがあれば、採用される可能性も高くなる。

なお付け加えておくと、アルバイトなどの仕事は、観光が主幹産業であることもあって多種多様にある。むしろ観光地などでは本土からの移住者の方が県出身者より多い職場も珍しくない。


■ 求人情報

仕事探しを始めて、最初に驚いたのはリクルート、 en など全国系の求人情報誌がないことであった。そのかわり、地元出版社の求人誌が数種と、フリーペーパーが充実している。地元で媒体として良く利用されており、内容が充実しているのは、これら求人誌と併せて新聞の求人欄である。地元 2 紙、琉球新報・沖縄タイムスいずれも月曜日の朝刊で見ることができる。

県外から情報を探す手段としては、まず Web であるが、上記新聞の求人情報は 1 日遅れ(火曜日)であるが各新聞のサイトから見ることが出来る。

求人サイトでは全国系のリクナビ NEXT 、毎日キャリアナビなどがあるが、『勤務地:沖縄県』で検索しても非常に限られている。これは企業側の掲載料が高額で、人材市場の限られた沖縄県内では掲載する企業が少ないためであろう。それでも逆に、県内大手企業が職種を限って募集をかけることもあるため、こまめなチェックをするべきだと思う。

県内求人誌の Web 版もあるにはあったが、 2 年前当時ははっきり言ってあまり充実した内容とは言いがたかった。ただし現在では内容・ビジュアルとも充実したものも増え、 Web のみの県内企業向け求人情報サイトも出来ている。(余談だが、求人情報が県内、県外と分かれているのも沖縄の特徴。季節労働などを中心に、県外での求人も多いのである。)

沖縄での就職事情を見るとき、非常に特徴的なのはハローワークの存在である。私見だが、沖縄へ来るまではハローワークは『雇用保険の手続きをするところ』という認識であった。しかしこちらでは(当たり前だが)、充実した『求人情報』の集まる場所なのである(経済的・政治的背景はあるが、話すと長くなるので省略)。この情報は、限定はされるが『ハローワークインターネットサービス』で Web からも検索できる。

個人的には、新聞の求人欄が非常に有用であった。情報の早さと質では他媒体より先行していると思う。ただし、一つの求人情報に関する情報量は決して多くないため、追加で企業情報を調べるなどの努力は必要である。



■ 資格?スキル?

県内で特に不足していると見られる人材は、地域にもよるが資格や専門スキルの必要な職種であろう。県外地域に比べて人材の出入りが海で阻まれている土地柄、県内だけでは足りない部分が出てくるのである。

特に、医療系職種:看護士、薬剤師、それにもちろん医師等は常に新聞の求人情報紙面の半分を占めるほどである。

また、沖縄県では IT 企業誘致と情報通信関連の優遇政策を取っており、 IT 企業での求人も頻繁にある。 SE や Web デザイナー等、専門スキルを持つ人にとっては有利かもしれない。

また興味深いのは、管理職がいなくて、という企業側の声である。これは沖縄の特性とでもいうべきなのか、組織の中で人を育てたり、組織そのものを管理することが苦手な傾向が見受けられる。先祖崇拝ではあるが、上下関係が(県外地域ほど)厳しくない土地柄からなのか。いずれにしても、その結果『管理職募集』という求人が出てくることになる。これは私の考えだが、こういったポストは今後、本土での定年退職後、沖縄へ移住して暮らそうと考えている方、いわゆるアクティブシニアで沖縄好きの方々が活躍される場のひとつになるのではないだろうか。

★ ★ ★

就職事情が分かった上でも、実際に仕事を始めると見えてくるもの、住み始めて初めてわかることなど、 2 年経ってもまだまだ日々新鮮である。次回以降では、仕事だけでなく生活についても、現状と感じたことを紹介できればと思っている。

以上
第2回につづく
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田島あゆみ TashimaAyumi

 

福岡県北九州市生まれ、大分育ち。東京、大阪での仕事を経て 2004 年春 那覇市へ移住。経営コンサルティング会社、ベンチャー企業を通じてコンサルタントとして活動。







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